日本遺産
井波とは

井波は、富山県南砺市に位置する日本屈指の木彫刻の町。
そのストーリーは、江戸時代中期に本願寺別院・瑞泉寺が再建されたところから始まります。

京都から派遣された名彫刻師・前川三四郎の技術を地元宮大工が受け継ぎ、200種類以上もの鑿(ノミ)や彫刻刀を駆使した精巧な彫刻は、欄間や仏具、獅子頭、そして町家の看板や通りのベンチに至るまで町の隅々に施されています。

この伝統は、職人による厳しい修行や親方から弟子への技術継承によって守られ、八日町通りや本町通りなど石畳の街並みには、今も木槌の音が響き渡ります。

独自の芸術性と技術が息づくこの町ならではの歴史と町並みは、日本の木彫刻文化の粋を今に伝えながら、多くの人々を魅了し続けています。

構成文化財

  • 彫刻

    井波彫刻

    1762年の大火後に瑞泉寺再建の折、京都本願寺から派遣された彫刻師の技を、地元の宮大工が習ったのが始まり。現在も多くの彫刻工房が軒を連ねています。(伝統工芸品)

  • 建造物

    井波別院瑞泉寺

    1390年に創建された、井波彫刻誕生のきっかけとなった寺。本堂や太子堂、勅使門等において、井波彫刻の粋を凝らした装飾を数多く見ることができます。(市指定文化財)

  • 建造物

    瑞泉寺山門

    山門に施された井波彫刻の多くは井波の宮大工(彫刻師)の手によるもの。正面には京都本願寺の御用彫刻師、前川三四郎が彫った龍の彫刻欄間が見られます。(市指定文化財)

  • 建造物

    瑞泉寺勅使門

    1792年に再建された門で、小脇に日本木彫刻史上の傑作中の傑作とされる番匠屋七左衛門(田村七左衛門)作の「獅子の子落とし」が見られます。(市指定文化財)

  • 建造物

    瑞泉寺太子堂

    井波彫刻の興隆期である大正期に再建された太子堂は、至るところに井波彫刻の傑作が飾られており、井波彫刻の殿堂ともいえる建造物です。

  • 彫刻

    雲水一疋龍

    瑞泉寺山門にある彫刻で、御用彫刻師、前川三四郎の作。生きているかのような龍の彫刻は、井波彫刻の原点ともいえる極めて秀逸な作品です。(市指定文化財)

  • 彫刻

    獅子の子落とし

    瑞泉寺勅使門にある井波彫刻。番匠屋七左衛門(田村七左衛門)の作で、日本木彫刻史上の傑作中の傑作ともいわれています。(市指定文化財)

  • 建造物

    大楼壁

    1762年の大火後、瑞泉寺の再建とあわせて築かれた、石垣造りの防火・防風壁。(市指定文化財)

  • 街並み

    八日町通り

    彫刻工房が軒を連ね、木槌の音を響かせる八日町通り。通りのいたるところに木彫刻が施され、木彫刻のまちの雰囲気をとくに感じられる場所です。

  • 建造物

    齋賀家住宅

    八日町通りにある、江戸時代の門前町の住宅様式を伝える町家。一階仏間、二階、座敷において、井波彫刻の欄間を見ることができます。(国登録有形文化財)

  • 彫刻

    町家の彫刻欄間

    八日町通りの町家には、井波彫刻の代名詞ともいえる彫刻欄間を見ることができます。中でも古い時代の作品は高い評価を受けており、見応えがあります。

  • 彫刻

    町家の木彫刻看板と表札

    八日町通りの造り酒屋など、町家の看板や表札も井波彫刻です。八日町通りを中心に、三日町通りや六日町通り等の家々にも掲げられています。

  • 街並み

    本町通り

    本町通りから八日町通りを上がり、瑞泉寺へと続く街並みの一角。通りには彫刻工房をはじめ、盤屋や彫刻刀屋などの関連店舗が軒を連ねています。

  • 建造物

    井波町物産展示館(旧井波駅舎)

    代々、瑞泉寺の大工棟梁をつとめた松井角平の手による旧駅舎で、かつては参拝客を迎い入れる玄関口。総檜造りで仏閣風の意匠に特徴があります。(国登録有形文化財)

  • 建造物

    浄蓮寺の翁塚と黒髪庵

    裏通りにある、俳人・松尾芭蕉ゆかりの地。芭蕉の弟子、瑞泉寺11代浪化上人150回忌に芭蕉堂が建てられ、井波彫刻の芭蕉像が安置されています。(市指定文化財)

  • 街並み

    臼浪水

    瑞泉寺の開基綽如上人が乗っていた馬の足かきによって湧き出たと言われる霊泉。「井波」という地名や、瑞泉寺の発祥だといわれています。(市指定文化財)

  • 建造物

    井波の蚕堂

    瑞泉寺の東に位置する、井波の宮大工が建造した養蚕社。見事な木組みと細工が施され、蚕に関わる馬や桑葉の井波彫刻も見られます。(市指定文化財)

  • 彫刻

    井波彫刻総合会館の木彫刻作品群

    瑞泉寺の伽藍配置をモデルにした館内には、豪華絢爛な欄間をはじめ衝立、獅子頭、天神様など数百店に及ぶ井波彫刻の作品が展示されています。

  • 彫刻

    三卓の仏具

    番匠屋11代目田村与八郎の作で、大・中・小の経机、香炉台を組み合わせた仏具。施された彫刻は極めて精緻で、井波彫刻の最高傑作のひとつといわれます。

  • 建造物

    越中一宮高瀬神社

    古くから信仰を集めてきた越中一宮。本殿などで見事な井波彫刻を見ることができます。旧本殿は1836年に建立された井波彫刻の粋を尽くしたものです。(市指定文化財)

  • 祭り

    八乙女山鶏塚と風穴

    八乙女山から吹き下ろす強風「井波風」により、瑞泉寺は何度も大火に見舞われました。山頂近くの風穴に、僧が祠を建てて風の神を鎮めたと伝えられます。(市指定文化財)

  • 街並み

    越中五箇山相倉集落

    地主神社拝殿の脇戸には「獅子の子落とし」が彫刻され、合掌造り家屋にも井波彫刻の欄間が。春祭りには井波彫刻の獅子頭が集落を舞い歩きます。(国指定史跡)

  • 建造物

    五箇山の寺社群

    五箇山は浄土真宗の信仰が篤い土地柄であり、瑞泉寺との繋がりも深いといえます。五箇山のお寺、念仏道場、神社の多くにも井波彫刻が施されています。

  • 祭り

    城端神明宮祭の曳山行事

    毎年5月に行われる城端神明宮の春季祭礼において、井波彫刻で装飾された豪華絢爛な曳山が町内を巡行します。(国指定無形民俗文化財)

  • 祭り

    庵屋台

    城端神明宮の春季祭礼において、曳山とともに町内を巡行する屋台。井波彫刻による精緻な欄間がはめ込まれています。通年、城端曳山会館でも展示されます。(市指定文化財)

  • 祭り

    福野神明社春季祭礼曳山

    福野神明社の春季祭礼において、町内を巡行する曳山と庵屋台に、井波彫刻の見事な装飾を見ることができます。

  • 祭り

    宇佐八幡宮春季祭礼

    福光にある宇佐八幡宮の春季祭礼において、神輿や獅子舞とともに町中を巡回する庵屋台に、井波彫刻の装飾を見ることができます。

  • 祭り

    井波八幡宮の春季例大祭

    井波八幡宮の春季例大祭において、巡行する大神輿や提灯屋台に井波彫刻の装飾を見ることができます。奉納される獅子舞の獅子頭も井波彫刻です。

  • 祭り

    木遣踊り

    瑞泉寺を再建するため、五箇山から大木を運んだ際に歌われた唄が起源とされます。瑞泉寺の伝統行事「太子伝会」で踊りが奉納され、町流しも行われます。

  • 食べ物

    よごし

    かつて、彫刻職人の修行時代を支えた食事の一つ。野菜の葉などを茹でて細かく切り刻み、味噌で味付けした素朴な郷土料理。

  • 食べ物

    いとこ煮

    小豆などを煮込んだ郷土料理で、かつては、彫刻職人の修行時代を支えた食事の一つです。

  • 食べ物

    どじょうの蒲焼

    ハレの日によく食された食事の一つ。どじょうは栄養豊富であり、貴重な栄養源として今も彫刻職人に親しまれています。

  • 食べ物

    かぶら寿司

    かぶらに切り込みを入れ、鰤・鯖などを挟んで米麹に漬け、発酵させたもの。正月料理や冬の味覚として、今も彫刻職人に好んで食されています。